砂漠の国からごきげんよう。
私はコロナが開けて、海外に住んでみようと思ってオーストラリアでワーキングホリデーをしていた。
その時に体験したワーホリでのストーリーを話したいと思う。
CAになる前、コロナ時は日本の行政機関で性に合わない仕事をして真面目に働いて、キャリアチェンジのためにインテリアの学校でもう一度学生になって勉強していた。いざ就活となったらやっぱり日本の会社に応募することを躊躇っていた。なんか違うって思った。
いつかは海外に行きたい、海外で働きたいという想いがずっとあったのにも関わらず、半分諦めかけて日本でデザイン関係の仕事を探そうとしていた。そんな中、フランス人の親友に相談したところ、いつもは陽気で優しい彼女が、ペラペラの日本語で、喝を入れてきた。
『キャビンクル子(私のこと)はずっと海外行きたい行きたい言って、本当に行こうとしていない!いつかって言ってたらずっと行かないよ!今回は許さないからね!嫌われても行きなさいっていう!トニカクイキナサイ!!』っとまじギレ。
初めて親友に怒られた気がした。そうか、本気で私のことを思ってそこまで言ってくれてるんだ。
今までの人生のパターンを振り返って、ここでもし海外に行く決断をしなかったら私は後悔するんだろうなって思った。当時はお金も、経験も、キャリアもスキルも何も持ってなくて本当にこのまま海外に飛び出て何ができるんだろうと思う反面、もしかした海外のインテリアデザイン会社でインターンとかしてそのまま何かに繋がるかもとか勝手な想像をして期待も膨らんでいった。
まぁお金もそんなにかけられないのでワーホリ業者を介さず、自分で情報を検索したりYouTubeを見ながらワーキングホリデービザの取得をし、保険に申し込み、手続き関係を全部自分で終えた。
仕事や住む場所は決めずに、数日間の宿(シェアのホステル)だけを予約してシドニーに渡った。知り合いもいないし、これから何の仕事をするかなんてまだ決まっていない。
英語力を言えば、英語は好きだったけど話す自信はまだない。ペラペラってわけでもない。だけど語学学校に通うことは頭の中に一切なかった。学校に払うお金はないし、住んでいるうちにどうにかなるだろうと気楽にいた。
そんなこんなでシドニーについてから、6人部屋のシェアホステルについて、私のワーキングホリデーが始まった。さて、しばらくは仕事探しといったところでレジュメを作ることから始まる。数日間はパソコンでパチパチっと作業しながら過ごして行った。なかなか仕事の応募まですぐに行動することができなかったが、街歩きをしながらどこか人を雇っていそうな飲食店やショップがないか調査していた。
シドニーに来る前は、ちょうどインテリアデザインの学校を卒業したものだから、デザイン系の会社への応募も同時に考えていた。
1週間くらい経って、レジュメが完成し、印刷をして自分を売り込みに行く生活が始まった。レジュメを持って目星をつけていたカフェやレストラン、デザイン会社に足を運んだ。
レジュメを受け取ってくれるが、その後連絡が来ることはほとんどなかった。1日10件ほど周り、回答ゼロ。もっとペースをあげなければと思い、毎日レジュメをできるだけ多くの企業に渡し続けた結果。あるカフェの中国人オーナーが雇ってくれることになった。なんかちゃんとしてそうなカフェだったし、ちゃんと雇用の手続きもしてくれそう。晴れて採用になり、1週間ほど働いた。お金を稼ぎたかったので土日にシフトの希望を出し、働いた。
そして給料日。土日に働いたから割と稼いだんじゃないかと楽しみに明細を確認したら、思っていた額よりもだいぶ少ないぞ、、、?
何度も計算し直して、やっぱり土日分の追加給料が入っていないと気がつき、オーナーに連絡した。そしたら、土日の給料は平日分の給料と同じ額だと言われた。
え、これって違法じゃん、、、
はじめに聞いた給料体系と違う。そして色々思い出した。
保険や政府に払う税の申告書を記入したのだけれども、用紙がその年のものではなく、数年前のものだった。大丈夫かなと思って、担当者に聞いたら問題ないと言われて、情報を記入だけして提出したのだが、なんと政府に税金も払っていないし、法的に私の雇用を申請していなかったのである。
初めての海外での雇用、ワーホリで働くと言うことであまり制度には詳しくなかったが、事前にワーホリ経験者が体験した話などをネットで読んでいたので、自分の状況が違法に働かされてると言うことに早い段階で気がついた。
そして中国人オーナーにちゃんと雇用の手続きをし、払ってない給料を払ってほしいと直談判した。
回答はもちろんNOノー。はじめに説明した通りだと言われたが、話が変わっている。
仕事がなかったし、また次の仕事がすぐ見つからなかったらどうしようと、どんなに弱い立場であっても騙されながら働き続けることがどうも私の性分に合わない。
すごく悔しかった。
悔しすぎて、どうしたらいいかネットで検索した。そして、いろんな人に聞いた。シェアホステルで出会った同じようにワーホリをして働いている人に、政府のサポートダイヤルがあるから聞いてみたらとアドバイスを受け、早速拙い英語で電話した。
「はじめに提示されていた条件と違っていました。そして騙されていました。ちゃんと働いた分は取り返せるでしょうか?』と聞いたところ、今から政府から発行する正式なメールを送るから、それをオーナーに見せなさい、そしてもし指示に従わなかったら法的に処罰すると伝えなさいと指示された。オーナーにこれまで受け取るはずだった給料が支払われるまで仕事には行かないと伝え、これまでの給料を払うように拙い英語で強く訴えた。そして、もし従わなかったら、もう政府には伝えているから覚悟しろと強気で連絡した。
そしたら、急に怖気付いて、早急に今まで払うべき給料を払ってくれたので、もらった瞬間にその仕事を辞めた。
初めて、海外で働き、騙され、いいように使われていた自分。
ワーホリビザという就職に弱いビザを持ち、英語も流暢じゃない自分にすごく腹が立ったし、自分の立場が弱いことを思い知らされた経験だった。
オーストラリアではたくさんの日本人やアジア人、ヨーロッパ人がワーホリをしていて、多くの日本人が違法労働をして生活をしているのを見た。彼らは英語は話せないけど、生活のためにはしょうがなくその仕事を選んでいるようだったし、それを都合よく利用しているたくさんのビジネスオーナーを見てきた。自分もそこで妥協し、いいように使われるのがなんだか嫌だったし、許せなかった。
でもその悔しさを放っておかずに、できる限り持ってる力で戦った。そして悪党をやっつけた経験を通して、別に英語力が伸びたわけでもないし、ビザが変わったわけでもないのになんだか急に自信がついた。それから次の仕事を見つけるためにさらにレジュメ配りの日々が始まった。


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