砂漠の国からごきげんよう。
私たち日本人クルーは最低でも月1、2回日本へのフライトに乗務する。
日本人のお客様より、ヨーロッパやブラジルなどからくる外国人のお客さんが半分以上を占めるフライトで毎度思うことがある。
それは、外国人のお客さんが日本の文化にインスパイアされて帰ってくるということ。
特に日本発のフライトは、日本を存分に楽しんできたお客さんを目にする。
ルフィーの麦わら帽子をかぶっているおじさん、ジブリのTシャツを着たイケメンのお兄さん、大きなぬいぐるみを抱えてくる子供だち、機内で日本で買ったであろうフィギュアの箱を開封し始める人、、、それぞれの思い出を持ち帰ってくる人を見るとなんだか微笑ましい気分になる。
そしてその人たちが、驚くべき所作をする。
それが、両手で物を受け取り、両手で物をくれるということ。さらにお辞儀付き。
例えば、エコノミーで働いていた時、食事のトレーを渡す時、外国人のお客さんが丁寧に両手で受け取りお辞儀をしてくれた。そして、カタコトの『ありがとう』とともに。
もしかしたら私が、日本人だということに気がついてしてくれたのかもしれない。それでも、こんなにたくさんの人々が日本で所作を学び、文化を学び、それを最後に自然とさらりとできるようになるなんてと私は興奮が止まらなかった。
日本で見た所作や文化をリスペクトしてくれる。どれだけ私たち日本人クルーにとって嬉しいことか。
私たちも海外へ旅行や留学で行ったら、その国の文化に触れるだろう。
その時に、その国の人たちが大切にしている礼儀であったり、価値観をできるだけ学び、敬意を持ち、そして実際にそれを使って現地の人と心を通わせることがどれほど大事か。それを私は日本フライトにいる外国人のお客さんから学んだ。
私も、世界のいろんな国へ飛び、いろんな街にお邪魔する。
できるだけ現地の人の生活を見て、人々の行動を見て、現地のものを試し、その国の人の価値観や考え方は何なのか考えながら、歩いている。
私が少しでもそこで学んだことや、知ったことを現地の人に共有すると、とても喜んでくれる。そうやって言語や文化の違いを乗り越えてきたし、なんかふわっと距離感が緩む。
私がこのCAの仕事の好きなところは、バックグラウンドも言語も文化も宗教も違う人と人がコミュニケーションで緩む瞬間。小さな奇跡みたいな暖かい繋がりが生まれる瞬間を間近で体験できる瞬間が好きだ。

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